教養演習2012量子化学入門05

 今日は第5回目。いよいよ水素原子波動関数についてですが、主な内容は球面調和関数になります。これは半径rが一定でポテンシャルがゼロのときの水素原子の中の電子の運動に対応し、球面上に粒子をポンと置いたとき、ミクロな世界ではその粒子はどの方向に分布(出現)するのか?がわかります。極座標ルジャンドル演算子、変数分離法によりθとφそれぞれの方程式を導きそれらを解くとθとφの球面調和関数が得られます。似たようなことをやって水素原子波動関数を導出するのですが、こちらはスライドで結果のみを説明しました。最後にn,l,mの量子数がそれぞれ電子殻(K,L,M殻)、spd軌道、その添え字のxyzに対応することを説明しました。実際の計算はグラフ演習のところで作図と一緒にやります。来週からはグラフ演習に入ります。

 今日は学生みんなつらそうでした苦笑。本当は球面調和関数の式に実際にlとmの値を入れて計算してもらい、pxやdz^2などの導出を最後の演習問題として考えていたけど、そこまで辿り着かなかった。ここまでやれば講義の目的の1つである「s,p,d軌道はどこからやってきたのか?」の答えに到達するのですが、やはり時間的に無理があったな。これは予定変更してグラフ作成のところでやることにします。これを書いていて気づきましたが、水素原子のエネルギーについて言及するのを忘れていました。あとでちゃんと話さねば。いよいよ来週からはMac教室に移動、まずはグラフ演習からです!