教養演習2012量子化学入門04

 今日は第4回目で、「Schrödinger方程式の導出」と「簡単なモデルを解く(一次元の粒子)」を行いました。前者は去年同様、古典の波の式に、量子論(運動量p=h/λ、エネルギーE=hν)を導入し、位置xで偏微分していくと時間を含まないSchrödinger方程式、時間tで偏微分していくと時間を含むSchrödinger方程式が導かれることを示しました。ここで、”量子力学ででてくる「仮定」は証明できる物ではなく、実験結果と一致するかどうかでその正当性が判断される”ということを説明しました。後半では得られた方程式をさっそく一次元の自由粒子、井戸型ポテンシャルに対して適用し、境界条件と規格化条件から波動関数とエネルギーを計算しました。3つめの「開いた箱の中の粒子」は結果だけ示して終わりました。来週は講義室最後の水素原子波動関数です。

 今日はほとんど板書講義だったので、ノートをとる方も大変だったろう。途中の偏微分や規格化係数を求める積分を計算してもらったけど、出来ない学生は微分積分を忘れているみたい。ここで思い出してくれればこの演習を受けているかいがあるというものだ。トンネル効果の話をもう少ししたかった。来週も時間いっぱいになるだろう。楽しいグラフ作成の演習まであと少し!