教養演習量子化学入門08

 第8回目は極座標の続き(体積素片の変換)を説明し、水素原子波動関数のための準備その2である「粒子の回転運動」に入りました。ルジャンドル演算子を使ってx,y,zのSchrödinger方程式を極座標r,θ,φの方程式へと変換し、変数分離法によりθとφそれぞれの2つの方程式に分割します(rは定数)。今日はφの方を周期的境界条件・規格化条件を使って解いてもらい終了しました。来週はθの方程式を解いて球面調和関数(=回転の波動関数)を示し、いよいよ最終目的である水素原子に入ります。
 今日は余った時間をルジャンドル演算子の導出計算に当てて、もっとsincos偏微分と慣れ親しんでもらおうとたくらんでいましたが、そこまでいかきませんでした。導出部分のプリントも、初めてTEXを使って作ったけど出番なし。悶絶する学生の姿が見れず残念。今日のトピックは量子つながりで超伝導。最近話題になっている動画があったので、その紹介とウルトラ簡単な説明をしました。先週話したキログラム定義について、「見直す事が決定されただけで、定義するのはまだまだ先の事です」という結果を伝えるのが切なかったです。
(2011.10.25)