教養演習量子化学入門07

 第7回目は主にトンネル効果の説明になりました。最初に井戸型ポテンシャルが有限になった場合の波動関数とエネルギーは導出はせず結果のみを示し、実際グラフに図示してエネルギーが高い領域へも波動関数が染出ること、ポテンシャルの壁の中では指数関数的に減少する事、エネルギーEとポテンシャルVが近いほどしみ出しが大きくなる事を説明しました。その後アルファ崩壊フラッシュメモリがトンネル効果の例である事を話し、最後は数学的準備の複素数極座標の説明途中で終わりました。
 今日は授業途中のトピックとして、「キログラム120年ぶり見直しへ」というニュースについてその背景と方法を解説しました。でもこのニュースを覚えていた学生はいなかったので、「お〜、あれの事ね!」という反応が得られずちょっと残念。どのように定義されるかを見るようにすすめたので楽しみが一つ増えたに違いない。来週は極座標の続きだけど、ルジャンドル演算子をどこまでやろうか。「導出までゆっくり丁寧にやります」というつもりでいたけど、今日の有限井戸型ポテンシャルの導出もとばしてしまったし。授業計画を練り直さねばなりませぬ、というのが今日の反省点です。
(2011.10.18)