教養演習量子化学入門06

 第6回目のメインは箱の中に閉じ込められた粒子(井戸型ポテンシャル)です。波動関数の2乗は確率であるという先週の続きをしてから、1次元の箱の中の粒子問題に入りました。波動関数ψ(x)=Asin(kx)+Bcos(kx)を出発点として自由粒子(ポテンシャルVがゼロ)ではどうなるか、井戸型ポテンシャル(ポテンシャルVが無限大で挟まれた状態)ではどうなるかの説明を行いました。最後は、境界条件ψ(0)=0、ψ(L)=0、規格化条件∫|ψ(x)|^2dx=1の3つの式から3つの未知数A,B,kを導出してもらい、本日は終了しました。来週はポテンシャルが有限の場合の話をして、トンネル効果について解説します。
 今日は途中で今年度ノーベル化学賞の解説を行ったので、内容的にはあまり進んでいないような気がする。でも5角形を隙間なく並べる事ができずに悩む学生の姿が見れたのでよしとしよう(後で刺されないように気をつけねば)。最後、自由粒子の電子と金属の自由電子は同じかという質問を受けて即答できず、私の宿題になりました。調べてみたところ、金属の場合エネルギーが連続状態になる理由はアボガドロ数個の金属原子が集まるからで、そのおかげで電子が自由に移動できるようになるということがわかった。「自由になる理由は違うけど、どちらも自由電子」という感じで来週説明しよう。
(2011.10.11)