教養演習量子化学入門03

 第3回目は量子化学の歴史です。化学結合は最初ルイスのオクテット則よって説明されていたが、経験則であり理論的根拠はなかったこと、ハイトラーとロンドンにより近似波動関数を使った水素分子の化学結合が初めて定量的に示されたこと、その数年後にはヒュッケルの分子軌道法、ポーリングの混成軌道論が発表されたことを順番に説明しました。その後はちょっと飛ばして現在はタンパク質などの量子化学計算が可能になったこと、ついでに私が行っている研究を例に量子化学計算では何ができるのかを説明しました。その後ボーア原子模型の計算を途中まで行い、バルマーの式の導出までを宿題にして終了しました。来週はいよいよシュレディンガー方程式に入ります。
 先週は少し時間オーバーしてしまったが、今回は終わらなかった部分は宿題にして時間通りに終了。来週から毎回このパターンにしよう。来週は最近発見した gnuplot によるアニメーション表示で波の式を説明するつもり。時間tの入る波はやっぱり動かないとね。今までなら事前にアニメーションを用意するかエクセルベーシックを使って見せるところだけど、来週はその場でチャチャッとできてしまいそうなので楽しみ。学生にこの楽しさは伝わるかな〜。(←手段の目的化)今日の学生:化学3、生物4、海洋3。
(2011.9.20)