2011後期から始まる量子化学入門

 教授から譲り受けた「教養演習:量子化学入門」を後期から担当することになりました。原子の構造や化学結合のところで出てくる s,p,d軌道がどのようにして導かれるのか,途中の計算を省略せず丁寧に導出していく予定です。数学が得意でない人でもついて来れるような講義を目指します。講義の内容は以下の通りです。


(1)はじまりはいつも「光と物質の二重性」
(2)まずは「シュレーディンガー方程式」から
(3)準備1:箱の中の粒子
(4)準備2:回転運動
(5)そして「水素原子波動関数」へ,,,
(6)原子・分子の作図演習


この順番に全15回(各項目およそ2回,作図演習は残り時間全部)で講義を行います。「光と物質の二重性」では主にスライドによる講義で,量子力学が誕生してから量子化学へと発展していく過程を簡単に説明します。「シュレーディンガー方程式」から「水素原子波動関数」までは主に板書による講義で,高校で数学が好きだった学生にとってはよだれが出そうな内容だと思います。もちろんそうでない学生にとっても何のために高校で数学を学んできたのかが実感できると思います。最後の「原子・分子の作図演習」では,パソコンを利用してgnuplot, jmol, Pov-ray など,鼻血が出そうなほどエキサイティングでクリエイティブなフリーソフトを使っていく予定です。